重点運動

平成28年度運動方針

一 運動方針

政府は、本年6月、世界経済の先行きが不透明であることなどを理由に、我が国の景気に与える影響を考慮し、平成29年4月に予定されていた消費税率の引き上げ時期を2年半延期する旨の表明を行った。秋の臨時国会において、消費税率10%の引き上げ時期を再延期する法案とともに軽減税率制度の導入時期についても延期する法案が提出される予定である。

このような状況下における平成29年度税制改正に向けての喫緊の課題として、「消費税の複数税率制度の見直し」「インボイス制度導入による影響の懸念」「中小法人に対する法人税改革(法人税の実効税率の引き下げに伴う課税ベースの拡大等)」が挙げられる。

平成28年度税制改正大綱において明記された消費税の軽減税率制度に関しては、当連盟は、従来より消費税率引き上げによる低所得者への配慮については、単一税率維持と給付制度による措置を要望しており、消費税率引き上げ時による消費税の複数税率制度の導入及びその周辺の規定について再考すべきである。

平成33年より導入予定のインボイス制度は、事業者の事務負担を増加させ、免税事業者が取引から排除される虞があるため、現行の請求書等保存方式を維持すべきである。

また、中小法人に対する法人税改革は、厳しい経営環境を十分に配慮のうえ、中小法人の定義を含め、引き続き、慎重に課税のあり方を検討しなければならない。さらには、マイナンバー法の施行に伴い、申告納税制度に及ぼす影響について、個人事業者番号の創設を始めとした検討を行う。

一方、改正税理士法のうち、平成29年4月施行となる公認会計士に対する税理士資格付与の見直しについての指定研修の内容が国税審議会より公表された。その内容が法改正の趣旨に則ったものとなるよう注視するとともに、社会の要請する国民のための税理士制度の確立のため必要な施策を講じていく必要がある。

なお、東日本大震災・熊本地震に対する復興支援は、最優先課題であるとともに、わが国では依然として大規模な地震が発生する可能性が高いといわれている。現在、国家規模の災害危機管理体制整備の見直しが議論となっており、税制面においても、災害が発生する度に震災特例法等を制定するではなく、「災害税制に関する基本法」を恒久法として整備すべきである。

本連盟は、このような社会情勢を踏まえて、税理士の社会的・公共的使命を一層自覚しつつ、税理士に対する社会的評価の向上をめざし、東京税理士会及び単位税政連並びに国会議員等後援会との連携を図り、納税者及び中小企業とともに、次に掲げる運動方針を強力に推進する。

1.社会の要請する国民のための税理士制度の確立

2.憲法の理念に立脚した公平な租税制度の確立

3.納税者の声が反映された税制の確立

4.租税立法手続の透明性の確立

5.税務行政における適正手続の確立

6.中小企業のための企業法制の確立

7.税理士の公益的業務への参画

8.社会の変動に対応した税政連の組織及び運動の確立

二 重点運動

上記の運動方針に基づき、国会及び地方議会関係者、日本税理士政治連盟、中小企業団体及び消費者団体等との連携並びにマスコミ対策を強化し、次の重点運動を強力に展開する。

1.税理士に対する信頼と納税者利便の向上を図る観点から更なる税理士制度の発展を目指して、運動を行う。

2.税の専門家として、中小企業に過重な負担をもたらすことのないよう、納税者の声が反映された税制改正を実現するための運動を行う。

3.マイナンバー制度の導入が申告納税制度に与える影響を検討し、適切に対応する。

4.東京税理士会、支部、単位税政連との連携を図り、組織強化及び財政確立のための運動を行う。

5.本連盟の政策実現を図るための真の代表を国会及び地方議会に送るため、単位税政連及び国会議員等後援会と連携しつつ強力な運動を行う。また、新たな国会議員等後援会の設立を促進する。

6.納税者の権利利益を擁護する立場から、税務行政の改善及び適正手続の確立を図る国税通則法の目的規定の改正と納税者権利憲章を策定するための運動を行う。

7.政府における規制・制度改革の動向を注視しつつ、税理士制度に与える影響に適切に対応する。

8.司法制度に対しては、国民のための司法制度構築をめざし、税理士の立場を踏まえて積極的な役割を担うための運動を行う。

9.「災害税制に関する基本法」を恒久法として整備し、税制面でも不測の事態に備えて、納税義務者に安心感を与え、より迅速な被災者支援を可能とするための税制確立に向けた運動を行う。

10.税理士に期待される社会的役割を踏まえて、登録政治資金監査人制度、地方自治体・地方独立行政法人等の監査制度、行政不服審査法改正に伴う審理員制度の充実等に資するための公益的業務に積極的に参画していくための運動を行う。

11.税理士法第52条違反行為等、業務及び職域の侵害となる動向に対して厳格に対応する。

12.国及び地方公共団体の公会計制度改革(複式簿記・発生主義会計)の実現のための運動を強力に行う

13.本連盟の活動状況の広報を充実し、会員及び外部関係者からの意見集約に努めつつ、積極的な活動を行う。

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