令和5年度運動方針

一 運動方針

3年余にわたりわが国を襲い続けた新型コロナウイルスも、令和5年5月より医療上の取扱いが第5類に移行するなど、徐々に沈静化が感じられるようになった。それとともに、外国人観光客の増加にともなうインバウンド需要や全国旅行支援による観光需要が回復に向かうなど、これまで抑えられていたさまざまな経済活動が再び動き出すこととなった。
このような中、いよいよ令和5年10月より「適格請求書等保存方式(インボイス方式)」が開始される。本連盟は、施行にともなうさまざまな混乱や問題をしっかりと確認し、軽減税率制度を廃止し単一税率に戻すなどの運動を引き続き進めていく。
令和6年度の重要要望事項として、「中小法人の配当促進税制の整備を行うとともに、役員給与税制を見直すこと。(中小法人税制)」「消費税の非課税取引の範囲を見直すととともに、軽減税率制度を廃止し単一税率に戻すこと。(消費税)」「基礎的な人的控除のあり方を見直すとともに、所得計算上の控除から基礎控除へのシフトを進めること。(所得税)」の3項目を挙げた。
個別要望事項として、「所得税の確定申告書の提出期限について、期限を見直すこと。(所得課税関係)」「所得税や消費税の準確定申告書の提出期限及び相続により業務を承継した場合の青色申告承認申請書の提出期限を相続税の提出期限と同様にすること (所得・消費課税関係)」ほか5項目を挙げた。
本連盟は、混迷が深まる社会情勢のなかで、税理士の社会的・公共的使命を一層自覚しつつ、税理士に対する社会的評価の向上をめざし、日本税理士政治連盟、東京税理士会、単位税政連及び国会議員等後援会との連携を図り、納税者及び中小企業とともに、次に掲げる運動方針を強力に推進していく。

1.社会の要請する国民のための税理士制度の確立
2.憲法の理念に立脚した公平な租税制度の確立
3.納税者の声が反映された税制の確立
4.租税立法手続の透明性の確立
5.税務行政における適正手続の確立
6.中小企業のための企業法制の確立
7.税理士の公益的業務への参画
8.社会の変動に対応した税政連の組織及び運動の確立

二 重点運動

上記の運動方針に基づき、国会及び地方議会関係者、日本税理士政治連盟、中小企業団体及び消費者団体等との連携並びにマスコミ対策を強化し、次の重点運動を強力に展開する。

1.税理士に対する信頼と納税者利便の向上を図る観点から更なる税理士制度の発展を目指して、税理士法改正の実現に向けた運動を行う。

2.税の専門家として、中小企業に過重な負担をもたらすことのないよう、納税者の声が反映された税制改正を実現するための運動を行う。

3.マイナンバー制度の導入が申告納税制度に与える影響を検討し、適切に対応する。

4.東京税理士会、支部、単位税政連との連携を図り、組織強化及び財政確立のための運動を行う。

5.本連盟の政策実現を図るための真の代表を国会及び地方議会に送るため、単位税政連及び国会議員等後援会と連携しつつ強力な運動を行う。また、新たな国会議員等後援会の設立を促進する。

6.納税者の権利利益を擁護する立場から、税務行政の改善及び適正手続の確立を図る国税通則法の目的規定の改正と納税者権利憲章を策定するための運動を行う。

7.政府における規制・制度改革の動向を注視しつつ、税理士制度に与える影響に適切に対応する。

8.司法制度に対しては、国民のための司法制度構築をめざし、税理士の立場を踏まえて積極的な役割を担うための運動を行う。

9.災害関連税制については、被災者に対し、より一層の税制面からの支援が必要であるため、迅速な被災者支援を可能とするための税制確立に向けた運動を行う。

10.税理士に期待される社会的役割を踏まえて、登録政治資金監査人制度、地方自治体・地方独立行政法人等の監査制度、行政不服審査法改正に伴う審理員制度の充実等に資するための公益的業務に積極的に参画していくための運動を行う。

11.税理士法第52条違反行為等、業務及び職域の侵害となる動向に対して厳格に対応する。

12.国及び地方公共団体の公会計制度改革(複式簿記・発生主義会計)の実現のための運動を強力に行う。

13.国民に信頼される民主的な租税制度の発展に資するため、国民のための租税教育及び簿記会計の普及、促進を行う。

14.本連盟の活動状況の広報を充実し、会員及び外部関係者からの意見集約に努めつつ、積極的な活動を行う。

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